向かいのお兄さん
第10章 利益、これ
―――――――――――
リリリリ リリリリ リリリリ…
『うっ…さぃ…ねーん…』
なぜか関西弁で、あたしは布団から腕を伸ばした
目覚まし、目覚まし、と捜し求め
ようやく目的物の頭をガチャンと叩く
『ふぅ…』
数ミリしか開いてないんじゃないかってくらい細く目を開け
時間を確認した
『…くじ…はん…』
いい加減起きないと…
ヨロヨロの体に鞭打って、あたしは布団からはい出た
昨日、春祭での花火が終わったあと
みんなはそれぞれ自分の家に帰宅した
あたしは家に帰るや否や、即爆睡
お風呂はもちろん入ったけどさ…
『…』
何となく
お腹の奥が痛い
痛いっていうか、気分悪い
直也のせいだ…
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