向かいのお兄さん
第12章 洗わなきゃ
『返して』
「せっかく綺麗にしたんだし、こんな服着せらんない」
あたしが手を伸ばすと、直也はさらに遠のけた
『服貸して』
「だから、キスしてくれたら貸す」
『…』
何で
毎回
お前の
言うこと
聞かなきゃ
ならんのだ?
『…横向いて』
「はい」
直也はご機嫌そうに、プイッと横を向いた
あたしは差し出されたほっぺに、軽くキスをした
ああ
屈辱
「こんだけ?」
『キスはキスでしょ』
直也はハァーっとわざとらしくため息をつき
「約束だからな…」と扉を全開にして、リビングの方へ戻った
あたしも、今さらだけれど、胸や下を隠しながら
部屋へ出た
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える