 
向かいのお兄さん
第17章 だから…
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いつもいつも、目に留まるあの人
俺が学校行く途中で、いつも出会うんだ
少し茶色がかった髪に、シンプルな格好して
ちょっといい香りを漂わせながら
同じ電車に乗る
「あ、ごめんなさい」
「すんません…」
俺は高校三年生だった
相手はおそらく、大学の一回生
鞄が俺の体にぶつかって、そこで初めて
言葉を交わした
人って不思議なもんで
今まで他人同然だった人間が、何かを共有し合うだけで
もう仲間意識を持ち出すんだ
この人も、電車で俺と会うたびに
微笑みかけてくれたり
"おはよ"とかいう単語を投げかけてくれるようになった
 
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