 
向かいのお兄さん
第19章 心から
「何でキスしてくれたの…?」
あたしは直也の方を見た
「何で抱きしめてくれたの…?」
『今さら、何聞いてんの』
「…」
『あんたがいっつも、あたしを脅すから…!!
仕方なしにやってたに決まってんじゃん!!』
「でも…」
『馬鹿じゃないの!?
そんなことも気づかないで"声"消しちゃってさ…
だいたい、好きでもない奴に犯される身にもなってみてよ!!』
「美咲…」
『もう二度と…関わんないで…』
直也の
あの顔…
何も言い返せないで、
口を横に引っ張って、
あたしをじっと見ている…
そんな直也の顔を最後に
あたしは部屋を出て
扉を閉めた
 
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