 
向かいのお兄さん
第20章 あたしもね
『…』
カーテンを開けて下を覗いてみると、佐藤造花店のイケメン労働者たちが
道端で羽根突きをして遊んでいた
…子供か
その中には直也もいたんだけれど
直也は椅子に座って、その様子を見ているだけだった
『…』
あたしはプルプルと顔を振った
あたしはもう、直也とは何の関係もないんだ
直也はあたしの向かいの店で働く、ただの他人
と言い聞かせながらも、直也を見てしまうあたしは
一体何なんだ
『!!』
あたしは急いでしゃがんだ
直也が
こっちを向きそうになったからだ
速く鳴る心臓を
早く静めないと…
もう一度窓から覗こうか迷ったけれど
もしそれで直也と目が合ったら嫌だったので
あたしは朝食を取りに、下へ降りていった
 
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