 
向かいのお兄さん
第21章 神さま
「―――試験終了です、鉛筆を置いて下さい」
会場中に、カランカランと言う音が鳴り
続いて小さなため息がたくさん漏れた
あたしも、その中のひとり
解答用紙を集め
全てが終わるや否や、
あたしは荷物を全部抱えて外へ飛び出した
直也に…
直也に連絡したくて…
会場の外、ある程度人の少ない場所に来て
あたしは携帯を取り出した
PLLLL…PLLLL…
この待ち時間すら待ち遠しい
直也が電話に出たら、まず何て言おうかな
試験、間に合ったよって
結構出来たよって
生物の遺伝、解けたよって
一体何から話せばいいのかな
直也は、何て言ってくれるのかな…
《…もしもし?》
 
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