向かいのお兄さん
第21章 神さま
―――――――――――
それから、何日も病院へ足を運んだ
私立入試の日は行けない時もあったけれど
それでも直也に
会いに行った
『直也…』
あたしは静かに眠る直也に
顔を寄せた
『キスしたい…』
その目を開けてくれるだけでいい
口元を動かすだけでいい
何か
応えて欲しかった
病院を出ると、決まって空に向かって祈る
都合のいい人間で、こういう時だけは神様を頼る
神様からしたら迷惑な
話だろうな
毎日毎日降り止まない雪は
どこからくるのか
『神様…どうか直也を…』
雪が
やんだ
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