 
向かいのお兄さん
第22章 入り混じり
『…』
あたしはふと時間を確認した
もうすぐ、11時を回りそうだった
『…じゃあ今日は帰るね』
「え、あ…そっか」
あたしは椅子をもとの位置に戻すと
病室を出ようとした
「おやすみ」
振り向くと、直也は小さく手を振っていた
「また明日…」
『…』
"また明日"…だなんて
あたしが来ること前提かよ…
『うん、おやすみなさい』
少し嬉しかったけど
顔には出さないで
あたしは病室を出た
また明日…
行くよ
毎日 毎日
言われなくても、あたしはあんたのところに…
パタン…と扉を静かに閉められると
直也は明かりを消した
 
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