向かいのお兄さん
第32章 新入生歓迎コンパ
「それでその歓迎会が、明日だって?」
『うん、座敷の居酒屋さんでね』
直也はあたしに、その大きな背中を向けたまま
「ふーん」と呟いた
『ってか、どいてよ。
足痺れてきた』
「行くな」
『はい?』
直也は自分の肩越しに、あたしの顔を見据えた
精一杯目をこっちへやる姿は、どことなく可愛らしい
「歓迎会なんてのは、大概口実だ。
酒飲んで襲われて終わりだよ」
『何その偏見』
「忠告してやってんだろ?」
あたしから下りると、直也はあたしを後ろへ押し倒した
無防備な状態で、すぐに首に吸い付かれる
『んっ…///』
「なぁ、俺やだなー…この細い首が他の野郎にキスされるの…」
『あたしは行くったら行く』
「イクったらイク?」
『"行く"ー!!』
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