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向かいのお兄さん

第39章 元通り




「美咲…」




名前を呼ばれたけれど


応えられなかった





「泣くなって」





しきりに跳ね上がる肩がうっとうしい



身体を抜ける一本の線が、信じられないくらい熱い




そんなに強く抱きしめないで




痛いの…









『直也…直也…直也ぁ…』





「よしよし」






やっぱり


どうしようもないくらい




好き






好きじゃ足りない




足りるわけがない






今まであたしを、ここまで味わったことのない気持ちにさせてくれたのは


直也だけ











「美咲、今夜俺ん家来て」





『え…?』








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