 
向かいのお兄さん
第39章 元通り
チュッと唇を離すと
また直也は隠すため、顔を背けようとした
『だめ』
あたしは両手で直也の顔を掴んで
強引にこっちに向ける
「やだって…み、見んなょ…!!///」
どこか小刻みに震える手は
必死にあたしの手をどかせようとするけれど
いつもの直也はどこへやら
全然力も入らないで
あたしの手をどかせることすら出来ない
「見んな見んな見んな…見んなって…!!///」
さらにパニックになる直也
それを見ているのは楽しかった
さすがにかわいそうかな?と思い
あたしは苦笑して
直也の頬を伝っていく涙を
唇で掬った
 
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