向かいのお兄さん
第7章 はじめまして
―――――――――――
チ チ チ
腕時計を確認する
開始5秒前
「それでは始めてください」
その声と同時に、教室中に紙をめくる音が鳴る
解答用紙に真っ先に名前を書き、あたしはザッと問題に目を通した
『…ぁ』
思わず声を出してしまった
この問題…
直也が印つけた奴ばっかじゃないっすかー!!!
ほほほほ
と高笑いしたくなったが、そこは我慢
あたしの手は止まることなく、数学の問題を解いていった
キーンコーンカーンコーン…
テスト終了を告げるチャイムに、クラスの皆がペンを置く
全然わかんねー!!
とか
時間足りないじゃん!!
とか
いろんな声が聞こえるけれど、あたしは一人、鼻高々
直也って
やっぱり頭いいんだ…
あいつを少し見直した
ただのエロ星人じゃなかったんだねー…
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える