 
向かいのお兄さん
第7章 はじめまして
「大丈夫!?うわ~マジごめんな!!
全然前見てなかったわ!!」
男は持っていた荷物を下ろし、かわりに、落ちていたあたしの鞄を拾ってくれた
『い、いえ…こっちこそごめんなさぃ…』
と謝りつつも、痛いもんは痛い
あたしはゴシゴシと額をこすって、拾ってもらった鞄を受け取った
「あ、もしかして美咲ちゃん?」
『え…あ、はい…何で知ってんですか?』
まさか
直也、いらないことをベラベラと喋った…?
「だって超近所じゃん、名前くらいわかるって」
あ、そうでしたね
でも
あたしはあなたのお名前知りませーん
『じゃ…すいませんっした』
あたしはそそくさと立ち去ろうとした
けれど、腕を掴まれる
 
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