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向かいのお兄さん

第54章 好きだから、食え





『あ…』



なんか


ドッキリが


ばれちゃったみたいで





…じゃあどうしよう



ネタばらし…する?






『あたしの気持ちなの…!!
さっきの砂と毒が入った粉末ケーキが、あたしの気持ちなの!!』






自分を少し、皮肉った






本当はもっと


綺麗な形して

美味しくて

できれば出来立てなんかを


食べてほしかったのに







「…とんでもない気持ちだな」




『うるさぃ…』





「俺、恨まれてんの?」





『…』







もっと



あたしが欲しい答を



ちょうだいよ…







『あたしは…あたしはさぁ…』




「顔、汚い」





もう


精神面ズタボロだ…





でも


涙がボロボロ落ちてくる上の瞼に直也の唇が添えられると



言葉じゃ言い表せないくらい


胸が温まった










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