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向かいのお兄さん

第57章 共に歩んで




ついさっきまで、「しゃーないから見舞いくらい行ってやる」とか言ってたくせに


病院が近づくにつれて

やっぱ帰る

とか

ババアの見舞いなんて

とか言い始めて




最終的に病院に入りたがらなくなってしまった




『ここまで来たじゃん。
入ろ?』



「やだ」




『何のために病院来たかわかってんの?』



「そんなに行きたいなら美咲だけ行けば?」








あー…












お前




ムカつくな
















『来い!!!!』


「え、ちょ、おいっ!」





渾身の力を振り絞って


直也を引っ張った




無理やり廊下を歩かせて、無理やりエレベーターに突っ込み、無理やり病室の前に立たせた




『ドア開けなさい』


「はあ?意味わかんね!俺は帰るから!入らねーから!!」



「病院ではお静かに」





通りすがりの看護師さんにピシャリと物申され、直也は口をモゴモゴさせながら扉に手を掛けた




「まじあり得ないまじあり得ないまじあり得ない…」


『黙れ』




スーッと静かに



病院の扉が開かれた






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