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向かいのお兄さん

第57章 共に歩んで




『直也、意外と夢あるんだね。
何何?芸能人?ハリウッドスター?』



「意外とってどういう意味だよ。
そうだなー、ハリウッドスターになるのもいいかも」



あたしの冗談にのってくれて

嬉しくなった



「でも、そんなちっさい夢じゃないんだよな」




なんか直也


ワクワクしてた



凄く輝いて見えたから


あたしまでワクワクした



『え、ハリウッドスターより凄い夢?
なぁにさー、ギネスとか?総理大臣?宇宙飛行士?』


「ちっさいちっさい」



なんか


直也って頭いいからさ、こんな馬鹿みたいな会話するの、楽しいや



『これでも小さいと言うのかね!?』


「おー」


『じゃ、あれ?地底人にでもなるつもり?』



「ちっさい、ちっさすぎる」





直也の考えが全然わかんない



直也は、あたしがどんな例えを言い出すのかを楽しんでいるみたいだった



あたしはそう思って、あれこれ言ってみたけれど



どれもこれもちっさいって言われた






『そろそろ教えてよー…もうこれ以上大きい夢ってないよー』



あたしは気力が尽きて

直也に付いて歩くのをやめた



「あるって」




でも直也はあたしの手を引いて、ぐるぐるぐるぐると駐車場を歩く



「だって、多分だけど、誰にも出来ないことだから」


『え、直也にしかできないこととかあるの?』



「たくさんある」




自信満々に言ったけど、すぐに「多分」と付け加えられた




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