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2人乗り

第3章 付き合ってんのに片思い


そろそろ帰る時間


楽しい時間は
あっと言う間だな・・・・




俺は、アキラを送って行く



2人自転車で並んで走った



俺とアキラの家は近くて

丁度、2人の家の中間地点に

俺たちのよく行く

神社があるんだ。




その神社の前を通り過ぎ

アキラの家につくと

アキラは玄関前に

自転車をとめ

俺に手のひらを見せて




「直希ありがと。

また、明日ね」




と、笑顔を見せた。



アキラが

玄関の中に入るのを

見届けてから、

俺は自転車をこぎだす。




玄関を見つめていると、

閉まりかけのドアが

もう一度開いた。





少し開いたドアから、

アキラが顔を出し、




バイバイって…



ちょっと、小さな声で言った。







かわいい……






俺が右手を上げて見せると

アキラは満足そうに笑って

ドアを閉めた。









もっと一緒にいたかったな…

アキラも

そう思ったんだろうか…






俺は

いろんな事を考えながら

ゆっくり自転車を走らせた



ふと

神社に寄り道したくなって

神社の前に自転車を停めた。





境内か、神社裏の大きな石に

いつも腰かける俺は

神社裏に足を向け

いつもの石に腰掛け

ため息をついた






手をつないだら

緊張するってことは…





ちょっとは、俺のこと

意識してくれてんのかな…





このまま付き合って

今日みたいに

楽しい時間が




過ごせるのかな…




なんだか

アキラとの

関係が

付き合うことで

壊れてしまいそうで




俺は怖くなっていた





ざわつく神社の木を

見つめながら

そんな不安を

グルグルと考えていた






ブルルルル・・・







あ、メールだ




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