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性教育学校

第28章 距離





授業の始まりのチャイム
あたしたちは教室に行かず
屋上で二人きりで話していた



「渓人と先生……」

あたしは
渓人と上手くいってない原因
全てを莉乃に話した


「実はね…
渓人は先生が好きだったんだ」

莉乃はうつむいて話す


「一年生の頃
渓人は保健室に毎日通ってたの
あたし、なんでか知りたくて
渓人に聞いたんだよね…
『先生と関係持ってるの?』って」


だいたい想像してた
渓人は先生が好きだったんじゃないかって

想像はしてたけど
莉乃の話を聞くのが
すごく怖かった

全てを聞いたら
渓人と戻れなくなってしまいそうで…



「莉乃…っ
やっぱり…いいや」

「え…?」

「なんか…その先聞いても
またぎくしゃくしそうだし…っ
もっと関係悪くなるかも…だし…っ」


渓人が今でも大好きだから
聞くのが怖い
もう渓人と一緒にいれない気がして…



「…みなみは、まだ渓人が好き?」

あたしは頷いた

「過去のこと言うのは辞めた…
でも、今の関係のままは駄目だよ。
ちゃんと二人で話さなきゃ」


「………怖いの
振られちゃうかもしれない。
あたしから離れてくかもしれない。
怖くて…ずっと話せなかった」

本音がどんどん溢れちゃう
このまま…終わりなのかな…

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