椿灯夏さんの作者ニュース

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今水面下で書いてるもの公開

【庭に住む少年の件について】

世の中には信じられないことが起こるという。


開いた口がふさがらない。



たった今問おうーー何故、私なのか。



少年は、特別イケメンというわけでもなく。ごくごく普通の、至って普通の少年だった。


瞳を輝かせながら。


「アンタ、俺見えるんだ?あーよかった。ここに今まで住んでた人で、見えた人いなくてさあ」



何故?何故なのーー。



「俺、どうせ見える人なら美人か可愛い子希望してたわけ。俺好みじゃないけど。合格」



さすがにブチッ。


「なによ!さっきから聞いてれば勝手なことばかり言っちゃって。だいたいねぇーー」



さらに続けようとした時、お隣の櫻井さんが丁度回覧板を持ってきたところだった。苦笑しつつ、手渡される。



「未来ちゃんしかいないのに、誰に言ってるの?」


「え?櫻井さんには見えないんですか?生意気なこいつが」


「うーん。見えないね」


「…………」



絶句。



どうして、私…………。


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