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息を殺し…

のぶ。のサバイバル系ミニ小説2nd【第7話】


オレは、建物の廃虚を見付けて、身を隠そうとしている。


しかし…


ヤツが既に嗅ぎ付けていた!

オレは階段を上っている途中、上から足音が聞こえて、こっちへ近付いている。

このまま立ち止まっていると、見付かってしまう…

逃げても、素早いので捕まってしまう……

音を立てたら、存在に気付かれてしまう………

オレは今、踊場で立ち止まっている。
足音のボリュームからすると、ヤツは2つ上の踊場を通過して、次の踊場へ向かっている。


どうする?
オレ…


考えていても、すぐこっちへ辿り着いてしまう!


先の階段を見上げた。


その階段を上がった次の踊場に、ドアが…


ん!


あのドアの中で、身を隠せそうだった。

足音が徐々に大きくなり、ヤツが近付いている中、オレは音を立てない急ぎ足でドアへ近付き、素早く開けて身を隠した。

ドアを閉めた後、スレスレでヤツが1つ上の踊場を通過して、こっちへ近付いてるのが、足音で察知した。

オレは息を殺しながら、音を一切立てずドアスコープを覗いた…


(うわぁっ!)


オレは思わず、悲鳴を上げそうになった。
ヤツの度アップが、ドアスコープ越しから見えたので、恐ろしかった!

オレは震えが止まらず、青ざめた…

親父の部下が、あんなのから追いかけられ、逃走していたと思うと、余計恐怖感が増してくる!

それでも、一切音を立てず息も殺していたので、気付かれず何もなかったかのように、通り過ぎた…

オレは一気に、気力抜けた。


ギリギリのギリギリで見付からなかったけど、コレもコレで死と隣り合わせなスタントだっ!
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