雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第3章 LessonⅢ 悪意ある噂
「これって、間違いなく美奈子ね」
紘子も同じ結論に至ったらしい。
「ね。この際だから、部長にこれを見せて、美奈子のヤツを徹底的に追いつめてやれば?」
だが、輝はゆっくりと首を振った。
「それは止すわ」
「どうして? ここまで酷いことされて、それでもまだ我慢するつもり?」
紘子は判らないというように腕組みをして、輝を見つめている。
「考えてみて、紘ちゃん。美奈子ちゃんは、もう十分すぎる罰を受けたはずよ。勧告といっても、その実は命令だもの。彼女はもう、これで会社にはいられなくなったわ。これまで彼女の悪事の片棒を担いでいた岩田君は減俸だけで済んで、会社に残るわけでしょう。辞職までさせられて、この上、あの子を追いつめるようなことまではしたくないの。幾ら酷いことをされたといっても、同じ職場の仲間として働いてきたじゃない」
紘子も同じ結論に至ったらしい。
「ね。この際だから、部長にこれを見せて、美奈子のヤツを徹底的に追いつめてやれば?」
だが、輝はゆっくりと首を振った。
「それは止すわ」
「どうして? ここまで酷いことされて、それでもまだ我慢するつもり?」
紘子は判らないというように腕組みをして、輝を見つめている。
「考えてみて、紘ちゃん。美奈子ちゃんは、もう十分すぎる罰を受けたはずよ。勧告といっても、その実は命令だもの。彼女はもう、これで会社にはいられなくなったわ。これまで彼女の悪事の片棒を担いでいた岩田君は減俸だけで済んで、会社に残るわけでしょう。辞職までさせられて、この上、あの子を追いつめるようなことまではしたくないの。幾ら酷いことをされたといっても、同じ職場の仲間として働いてきたじゃない」