雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第2章 LessonⅡ 心ときめく記念日
また踏み込みすぎる質問をして、吉瀬に呆れられるという心配はある。しかし、それよりも、彼について知りたいという欲求が勝った。
「俺の夢は脱サラして、喫茶店をやることだったんです。それも、ただの喫茶店ではなくて、夜はバーにもなるような少し洒落た大人の店を開きたかった。でも、嫁さんには、俺のその夢があまりにも馬鹿らしかったみたいでね。四十も近くなって、今更、何をバカな子どもみたいなことを言ってるんだ。もう知らない、これ以上、俺の我が儘にはついてゆく気もないって、出ていきました」
吉瀬は、やるせなさそうに首を振った。
「サラリーマン時代は私のことなんて少しも顧みようとしてくれず、やっと脱サラして家庭も大切にする気になったのかと思えば、今度はまた自分勝手な夢に向かって走り出す。つくづく愛想が尽きたって言われましてね」
「俺の夢は脱サラして、喫茶店をやることだったんです。それも、ただの喫茶店ではなくて、夜はバーにもなるような少し洒落た大人の店を開きたかった。でも、嫁さんには、俺のその夢があまりにも馬鹿らしかったみたいでね。四十も近くなって、今更、何をバカな子どもみたいなことを言ってるんだ。もう知らない、これ以上、俺の我が儘にはついてゆく気もないって、出ていきました」
吉瀬は、やるせなさそうに首を振った。
「サラリーマン時代は私のことなんて少しも顧みようとしてくれず、やっと脱サラして家庭も大切にする気になったのかと思えば、今度はまた自分勝手な夢に向かって走り出す。つくづく愛想が尽きたって言われましてね」