テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生

 と、黄内官が遠慮がちに言った。
「お言葉でございますが、お疲れのご様子とお見受け致しましたので」
「いや、大丈夫だ。心配させて済まない」
 ユンは苦笑し、再び意識を手許の上奏文に戻した。
 その時、執務室の扉の向こうから、別の内官の声が響いた。
「殿下、黄内官でございます」
 父と息子が同じ職場にいるので、こういうときはややこしい。
「通せ」
 ユンのひと声で扉が外側から開き、黄維俊が入室してくる。
「殿下、一大事にございます」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ