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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 国王はただの一人の男である前に、王でなければならない。時には私情を切り捨て、冷酷な決断を下さねばならないときもある。そのことを、明姫は廃妃事件のときに嫌というほど知った。
 あのときもユンは本当は明姫を救いたかったのに、私情を殺して廃妃として流刑に処したのだ。彼が今、そのことを言っているのであろうことは明姫にも判った。
 だが、明姫は彼と出逢ったことを後悔したことなんて一度もなかった。彼と出逢わない平坦な人生などに何の意味があるだろう。彼と出逢ったからこそ、彼の側で生きられたからこそ、明姫の人生はより生き生きと輝きを放ったのだ。

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