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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと

 明姫は空を見上げた。紫紺の空を飾る満月には雲一つかかってない。何が今宵の月のように翳らぬ前に、だ。
 息をするように嘘をつくのは慣れてない?女を口説き慣れてない?
 嘘もたいがいに言って欲しい。明姫は腹が立ったので、絹の刺繍靴で思いきりユンの向こうずねを蹴り飛ばしてやった。

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