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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと

「い、痛ッ」
 ユンが脚を押さえて、涙眼になっている。
「何故、こんなことをする?」
「この女タラシ!」
「誰が女タラシだって?」
「あなたよ、あなた」
 他に誰がいるっていうのよ。明姫はぷりぷりと怒りながら一人、先に立って歩く。
「まあ、そう怒るな、怒るな」
 ユンがまだ痛むのか、脚を引きずりながら追いかけてくる。
「良い加減なことばかり言って、本当にもう!」
「私が良い加減なことを口にしたというのか?」
「そのとおりでしょ。さっき、身体がどうのこうのって」

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