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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第20章 第四話 【永遠の少女】 永遠に理解し得ぬ二人  

 と、産室の扉が開き、若い女官が入ってきた。あまり見かけない顔だが、今は明姫の出産の瞬間も迫っており、人手が足りないほどだ。ゆえに、他の殿舎からも女官を集めてきており、様々な殿舎の女官が入り乱れている。見慣れない顔が混じっていたとしても、不思議はなかった。
「和嬪さまに煎じ薬をお持ちしました」
 女官はやや強ばった面持ちで小卓に載せた薬湯を恭しく差し出した。
「ご苦労さま」
 ヒャンダンは鷹揚に労をねぎらい、女官はそそくさと部屋を出ていく。

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