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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第20章 第四話 【永遠の少女】 永遠に理解し得ぬ二人  

「今は大殿でご政務の真っ最中でしょう。昨日も午後からお見えでしたから、今日も同じくらいの時間になるのではないでしょうか。何なら、後で遣いの者を出しても」
「良いわ。特に用もないのに、お忙しいお身体でお越しに頂くのは申し訳ないから」
 いかにも明姫らしい気遣いにヒャンダンは微笑む。
「それでは、この苦いお薬をお呑みになって、殿下をお待ち致しましょうね」
「やだ、ヒャンダンってば、私を完全に子ども扱いしてる」
 明姫も笑いながら受け取った湯飲みを両手に持ち、ひと口含んだ。何だかいつもと味が少し違うような気がする。

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