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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

「難産のせいで亡くなったと侍医は言っていた。生母の温嬪も瀕死の状態で、よくぞ温嬪だけでも助かってくれたものだと今になって神に感謝している。中殿、これからは私は、そなたを娘だと思うことにしよう。亡くなった王女が帰ってきたのだと思い、大切にするよ。だから、もう泣いたり、怖がったりしなくて良い」
 春花は安心しきったように頷き、微笑んだ。
 何故か、その顔を王が眼を細めて見つめた。まるで眩しいものでも見るかのように。
 王の手は相変わらず春花の髪を撫でている。その優しい手触りに、春花は一日の疲れがどっと出たのを憶えた。

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