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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

 眠くて堪らない。考えてみれば、早朝から嘉礼に臨み、重い冠や花嫁衣装、王妃の正装と肩の凝る疲れる儀式の連続だった。その挙げ句、王と寝所で二人きりになり、生まれて初めての口づけや胸を触られたりと、精神的打撃はかなり大きい。
 急激な眠気が押し寄せてきて、春花は知らず王の胸に頬を押し当てた。まるで子犬が親犬に甘えるように寄りかかり、そのまま深い眠りへと落ちてしまった。
「―中殿?」
 王がややあって呼んだ時、十七歳の王妃は既に熟睡して安らかな寝息を立てていた。

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