身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
この世のありとあらゆるものを手にした領議政にとって、捕盗庁の副官にすぎなかっ父など、虫けら同然だったのだろう。顔の回りを飛び回ってうるさいから、目障りだから、殺された―ただ、それだけの理由で。
ならば、伯母の言うように、復讐など所詮は意味のないものだ。一介の小娘に時の権力者を潰せるほどの力などあるはずもないし、いずれ天をも怖れぬ悪行の報いは必ずや彼に下るだろう。
それよりも、虫けらだって、ちゃんと生きていけるのだと心意気を見せてやる方がよほど利口というものだ。一度は叩きつぶされたかに見えた家門を復興することこそが復讐であり、両親の無念を晴らすことになるはずだ。
ならば、伯母の言うように、復讐など所詮は意味のないものだ。一介の小娘に時の権力者を潰せるほどの力などあるはずもないし、いずれ天をも怖れぬ悪行の報いは必ずや彼に下るだろう。
それよりも、虫けらだって、ちゃんと生きていけるのだと心意気を見せてやる方がよほど利口というものだ。一度は叩きつぶされたかに見えた家門を復興することこそが復讐であり、両親の無念を晴らすことになるはずだ。