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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

「そりゃあ、幾ら何でも褒めすぎですよ。旦那さま」
「いやいや、世辞などではないぞ。どれ、ついでに、そっちの揚げパンもくれ」
 この店で売っているのは蒸し饅頭だけではなさそうである。揚げパンを指すと、女は更に嬉しげな表情になった。
「毎度」
 また紙袋に幾つか揚げパンを入れて渡してくれるのに、今度は多めに金を支払う。
「あれま、旦那さま、こんなに頂くわけにはいきませんよ」
「良いのだ、何も言わずに納めてくれ。これでも朝鮮一の蒸し饅頭の代金には少ないほどだから」

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