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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

「旦那さまって、もしかして、新婚かい?」
 店主の無遠慮な問いかけに、少女の白い頬が一瞬染まった。
「ヘヘ、そいつは熱いねぇ。ご馳走さまで」
 店主は奥に一旦引っ込むと、手に何か持ってきた。
「清国渡りの高価な筆を四本も買い上げて下さったからね。これはおまけ。硯と墨だけど、こいつも清国産だよ。結婚祝いに持ってて下せぇ」
「まあ、でも、こんなにして貰っては申し訳ないわ」
 少女が金を払おうとするのに、店主は呵々大笑した。

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