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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

「代金は良いですから、また、今度もうちの店をご贔屓にして下さいよ。奥さま」
 なかなか商売上手の親父のようである。
「判ったわ。また、必ず来ますね」
 彼女はにっこり微笑み、丁寧に主人に挨拶すると、また雑踏に紛れて歩き出した。ユンは少女の後を慌てて追いかけた。
「中―」
 中殿と言いかけて、流石に口を噤んだ。こんな町中で身分の知れる言葉は慎むべきだ。

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