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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

「―」
 腹が立つというより愕いた。何故、頬に触れた程度でこのように嫌がられるのか判らない。確かに初夜の床では二人の間に何もなかったし、今でも彼は律儀に〝娘のように扱う〟といった約束を守っている。
 しかし、何も頬に触れるくらいの軽い日常的なふれあいまで拒まれるとは考えていなかった。大体、父と娘の間なら、このくらいのふれあいは日常的なものだろう。
 自分はそこまで春花に嫌われているのだろうか? そう思うと、やはり、あまり良い気はしない。

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