身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
「中殿、少し見せなさい」
春花の手にした湯飲みを覗き込めば、明らかに二人の湯飲みに入っている茶とは違う。自分たちのものはごくありふれた茶の色をしているが、春花のものは透き通った紅であった。
「母上、何故、中殿だけに違うものを出されるのですか?」
訊かずにはいられない。大妃は事もなげに言った。
「そのお茶は清国渡りの薬草茶ですよ。何でも懐妊を望む女子が続けて呑めば、もののひと月の中には見事に子を孕むそうな」
春花の手にした湯飲みを覗き込めば、明らかに二人の湯飲みに入っている茶とは違う。自分たちのものはごくありふれた茶の色をしているが、春花のものは透き通った紅であった。
「母上、何故、中殿だけに違うものを出されるのですか?」
訊かずにはいられない。大妃は事もなげに言った。
「そのお茶は清国渡りの薬草茶ですよ。何でも懐妊を望む女子が続けて呑めば、もののひと月の中には見事に子を孕むそうな」