テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 駄目だ。ユンは想いを振り切るように、かぶりを振る。この娘は外見だけでなく、性格まで明姫に似ているようだ。最初はまだ慣れていなくて、本当の自分をうまく出せていなかったのだろう。
 これでは、本当に明姫が帰ってきたようだ。困ったことに性格まで似ているのが良いことなのか、悪いことなのか。ユンには判らない。
 文机の上にはささやかな一輪挿しがあり、うす青紫の花が活けてあった。この花があの寺に植わっていたものだと気づくのに時間はかからなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ