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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 眼を細めて頷いていると、春花の頬が染まった。ユンは春花の手を取ると、〝行こう〟と隠れ家から外に出た。
「殿下、どこに行くのですか?」
「良いから、直に判る」
 ユンは春花の腕を引いて、どんどん先に立って歩いた。やがて路地から賑やかな大通りに至ると、途端に物を売ろうとする露天商のかしましい声が飛び交ってくる。
 ユンはいつかの蒸し饅頭屋の前まで来ていた。まずはその隣の小間物屋で店先を物色する。

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