身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
「これをくれ」
ユンは二、三の簪(ピニヨ)を春花の漆黒の髪にあてがい、ああでもない、こうでもないと首をひねった。迷いに迷った挙げ句、菫青石(アイオライト)のはめ込まれた簪に決めた。縁取りは銀細工で、その中に大きめの石がはめ込まれているシンプルな意匠(デザイン)である。お揃いのノリゲも買い求めた。ノリゲも菫青石が銀細工の縁取りに填っていて、房は白と薄蒼のグラデーションに染め分けられている。
「流石はお眼が高いですね、旦那」
若い小間物売りはお世辞半分、本気半分といったところで機嫌良く簪を渡してくれる。この簪はむろん、王妃として日々身につけているものには及ばないけれど、このような町中の店が商う中では高級品だ。
ユンは二、三の簪(ピニヨ)を春花の漆黒の髪にあてがい、ああでもない、こうでもないと首をひねった。迷いに迷った挙げ句、菫青石(アイオライト)のはめ込まれた簪に決めた。縁取りは銀細工で、その中に大きめの石がはめ込まれているシンプルな意匠(デザイン)である。お揃いのノリゲも買い求めた。ノリゲも菫青石が銀細工の縁取りに填っていて、房は白と薄蒼のグラデーションに染め分けられている。
「流石はお眼が高いですね、旦那」
若い小間物売りはお世辞半分、本気半分といったところで機嫌良く簪を渡してくれる。この簪はむろん、王妃として日々身につけているものには及ばないけれど、このような町中の店が商う中では高級品だ。