身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「―!!」
ややあって、明姫は更に驚愕することになる。殿舎の回廊に誰かが佇んでいる。
初めはユンかと思ったが、それにしては小柄だ。しかもその人物は女人だった。白っぽいチマチョゴリを纏い、ふわふわと漂う影のように回廊に立っている。
流石に梁からぶら下がってもおらず、息を引き取る直前の苦悶の表情を浮かべてもいなかったが、酷く哀しげな顔で泣いていた。
まさか、この方は十数年前、ここで無念の死を遂げたというお妃さま?
―吾子(アガ)よ。吾子よ。
白い着物を着た、たおやかな女人は亡くなった我が子を探し求めて泣いているのだろうか。
ややあって、明姫は更に驚愕することになる。殿舎の回廊に誰かが佇んでいる。
初めはユンかと思ったが、それにしては小柄だ。しかもその人物は女人だった。白っぽいチマチョゴリを纏い、ふわふわと漂う影のように回廊に立っている。
流石に梁からぶら下がってもおらず、息を引き取る直前の苦悶の表情を浮かべてもいなかったが、酷く哀しげな顔で泣いていた。
まさか、この方は十数年前、ここで無念の死を遂げたというお妃さま?
―吾子(アガ)よ。吾子よ。
白い着物を着た、たおやかな女人は亡くなった我が子を探し求めて泣いているのだろうか。