身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「違うの、違うんだってば。本当よ。私、幻なんて見てない。確かに、お妃さまだった。私を見て、泣いていたわ」
ユンが溜息をつき、明姫の髪を撫でた。
「たぶん、そなたは疲れているのだ。そなたの直属の上司は誰だ? 昼間の仕事を少し減らしてみてはどうだろう」
明姫はほんやりとユンを見上げた。
まだ混乱のただ中にいる明姫には、ユンが何故、後宮人事や女官の仕事内容にまで口を出すのか、その不自然さまで考えられていなかった。
今日の彼はやはり昼間見た、蒼色の官服を着ている。ユンがどんな官職に就いているかまだ知らないけれど、今夜は宿直か何かなのだろうか。
ユンが溜息をつき、明姫の髪を撫でた。
「たぶん、そなたは疲れているのだ。そなたの直属の上司は誰だ? 昼間の仕事を少し減らしてみてはどうだろう」
明姫はほんやりとユンを見上げた。
まだ混乱のただ中にいる明姫には、ユンが何故、後宮人事や女官の仕事内容にまで口を出すのか、その不自然さまで考えられていなかった。
今日の彼はやはり昼間見た、蒼色の官服を着ている。ユンがどんな官職に就いているかまだ知らないけれど、今夜は宿直か何かなのだろうか。