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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

「床の上では痛かろう」
 王は呟くと、自らの上衣を脱ぎ、ぱっとひろげて床に敷いた。有無を言わさず春花の身体をその上に押し倒す。
「いやっ、いや。誰か、助けて!」
 春花が烈しく抗い始める。王の切れ長の双眸が眇められた。
「どうでも、抵抗するというか」
 次の瞬間、春花は我が身に起きたことが信じられなかった。王は彼女の細い手首をひと纏めに掴み、袖から出した紐で縛ったのだ。
「解いて、解いて下さい。何で、こんな酷い―」
 春花は唇を戦慄かせた。堪え切れない涙が溢れ出し、頬をつたった。縛られるなんて考えもしなかった。

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