テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

 何度も痛みを訴える少女の身体を彼は押さえつけ無情に刺し貫いた。これで春花の身体は確かに我が物にしたかもしれないが、心は余計に離れてしまった。最悪の場合、二度と自分たちが心を通わせることはないかもしれない。
 前妻の中殿とは心は通っていなかったけれど、憎み合ってまではなかった。明姫亡き後は、もう一度妻とやり直しても良いとさえ思ったほどなのだ。
 判っていたことではないか。春花を無理に抱いてしまえば、こうなることは。たとえ名実ともに夫婦となり得たとしても、妻の心を永遠に失うかもしれないとは覚悟していたはずだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ