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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

「い、痛い―っ」
 明姫は絶叫し、あまりの痛みに大粒の涙を零した。
 あまりに酷い扱いだった。妓楼に売られた遊女が初めて客を取って女になることを水揚げと呼ぶそうだ。だが、その水揚げですら、今夜のユンの扱いよりは優しいのではないかと思える―それほどまでに手酷いものだ。
 しかも、脹ら脛はまだ鞭打たれた傷が残っている。一部は化膿しているところもあった。そこを持って、これ以上はないというほど両脚を開かされたものだから、その痛みは尋常ではなかった。
 明姫は首を振りながら泣いた。
「痛い、痛い―」
「明姫?」

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