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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

 まったく、どこまでが本当か知れたものではない。明姫はチラリとユンを見た。
 一方の彼は期待に満ちた顔だ。それが親に褒めて貰いたがっている子どものようにも見え、明姫は思わずクスリと忍び笑いを洩らした。
「あ、今、笑ったな」
「だって、今の話、どうにも信じられないもの。嘘でしょ」
 ユンの男にしては白い面が上気した。
「違う、嘘などではない」
 きっぱりと断言するユンに、明姫は笑いながら応えた。
「はいはい、判りました。信じれば良いんでしょう」
「何だ、無礼なヤツだな。その口調では全然信じてないだろ」

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