テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

「ふふ、そんなことないわ。ちゃんと信じてる。ユンは国王さまの信任も厚い忠臣で、国の大事を決めるときは、いつもユンを頼りになさるのよね」
「ふん、可愛げのない女だな。どうして見かけは可憐で儚げな風情なのに、こんなに強情なのか」
 ユンは一人で憤慨しているようだ。
 そんな彼はどこまでも明るくて屈託がない。普段どおりの軽妙なやりとりを丁々発止と交わしている。
 既にいつもの二人に戻っている。明姫自身はそのことにホッとしていた。彼の晴れやかな表情から、彼もまた同じことを考えているのだと判った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ