身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
以上の経緯は明姫でなくとも、後宮に少し長く暮らす者なら、誰でも知っていた。
悪は千里を走るという。そういうスキャンダラスな噂―特にそれが国王やその母という高貴な人たちに関するものであれば―は、面白おかしく脚色され、瞬く間に人の口から口へと語り伝えられる。野火がひろがる勢いでやがて宮殿の外、即ち世間一般にも知れることにもなる。
もちろん、後宮でも興味本位の噂話、憶測は一切禁止されているけれど、そんなものは何の効果もない。むしろ上の者たちが躍起になって止めようとすればするほど、悪しき噂は物凄い勢いで女官たちの間にひろまってゆくのだった。
明姫が沈んでいるのを見、ユンが微笑む。
「まだ心配なのか?」
悪は千里を走るという。そういうスキャンダラスな噂―特にそれが国王やその母という高貴な人たちに関するものであれば―は、面白おかしく脚色され、瞬く間に人の口から口へと語り伝えられる。野火がひろがる勢いでやがて宮殿の外、即ち世間一般にも知れることにもなる。
もちろん、後宮でも興味本位の噂話、憶測は一切禁止されているけれど、そんなものは何の効果もない。むしろ上の者たちが躍起になって止めようとすればするほど、悪しき噂は物凄い勢いで女官たちの間にひろまってゆくのだった。
明姫が沈んでいるのを見、ユンが微笑む。
「まだ心配なのか?」