身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「判らない。私は一介の下級女官で、そんな私が空恐ろしい謀や陰謀に巻き込まれるはずもないのに、何故か胸騒ぎがしてならないの。お妃さまは一体、何を私に言いたかったのかしら。ただご自分の無念を伝えたいためだけに私の前に現れたのではないような気がして」
ユンは明姫を腕に抱き、しばらく考え込んでいるようだった。やがて、静かな声音で言った。
「先刻、そなたが見たという女の亡霊のことだが、本当に見たのか?」
明姫は小さく頷いた。
「嘘じゃないし、幻を見たわけでもない。小柄でほっそりとした方だった。とても美しいけれど、儚げで―とても哀しそうな顔をしていらしたわ」
ユンは明姫を腕に抱き、しばらく考え込んでいるようだった。やがて、静かな声音で言った。
「先刻、そなたが見たという女の亡霊のことだが、本当に見たのか?」
明姫は小さく頷いた。
「嘘じゃないし、幻を見たわけでもない。小柄でほっそりとした方だった。とても美しいけれど、儚げで―とても哀しそうな顔をしていらしたわ」