身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
ユンが吐息をついた。
「昔語りをするとしよう。これは私が国王さまよりお聞きした話だ。その昔、この殿舎には美しいお妃が暮らしていた。当時、まだほんの幼子であった国王さまは、そのお妃をひそかに恋い慕っていた。もちろん、その思慕は子どもが臈長けた美しい女人に寄せる憧れ、淡い思慕でしかなかった。実の母にどうしても馴染めない国王さまは余計にそのお妃に惹かれていったんだ」
「たぶん、国王さまは淋しかったのね」
明姫が相槌を打つと、ユンは笑った。
「やはり、そなたは見かけによらず、聡いな」
「まっ、失礼ね」
ユンは微笑み、明姫のふっくらとした頬をつついた。
「昔語りをするとしよう。これは私が国王さまよりお聞きした話だ。その昔、この殿舎には美しいお妃が暮らしていた。当時、まだほんの幼子であった国王さまは、そのお妃をひそかに恋い慕っていた。もちろん、その思慕は子どもが臈長けた美しい女人に寄せる憧れ、淡い思慕でしかなかった。実の母にどうしても馴染めない国王さまは余計にそのお妃に惹かれていったんだ」
「たぶん、国王さまは淋しかったのね」
明姫が相槌を打つと、ユンは笑った。
「やはり、そなたは見かけによらず、聡いな」
「まっ、失礼ね」
ユンは微笑み、明姫のふっくらとした頬をつついた。