身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「きっと、お妃さまも歓ばれていると思うわ」
明姫は言いながら、なるほどと得心がいった。この殿舎に脚を踏み入れた時、長らく無人のまま放置されていたにしては、荒れていないのに愕いたものだ。
普通、人が住んでいない家というものは、幾ら手入れしたとしても、どことなく荒れて荒んだ雰囲気が漂っているものなのに、ここにはそれがなかった。
やはり、国王が時折訪れているからだろうか。はるか昔に亡くなった美しいお妃のことを考えている中にふと我に返ると、ユンの視線が自分に向けられているのに気づいた。
「もしかしたら、昔、ここに住んでいたというお妃は、そなたに似ていたかもしれないよ」
明姫は言いながら、なるほどと得心がいった。この殿舎に脚を踏み入れた時、長らく無人のまま放置されていたにしては、荒れていないのに愕いたものだ。
普通、人が住んでいない家というものは、幾ら手入れしたとしても、どことなく荒れて荒んだ雰囲気が漂っているものなのに、ここにはそれがなかった。
やはり、国王が時折訪れているからだろうか。はるか昔に亡くなった美しいお妃のことを考えている中にふと我に返ると、ユンの視線が自分に向けられているのに気づいた。
「もしかしたら、昔、ここに住んでいたというお妃は、そなたに似ていたかもしれないよ」